50~60代の離婚

50~60代の離婚

離婚で問題となる主なものは、親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割ですが、離婚する夫婦の年代によって、問題の重点が異なります。

親権、養育費が問題となるのは50代まで、財産分与、年金分割の問題が顕著に争われるのは40代以降、といった傾向が見られます。

他方、慰謝料については、殊に不貞による離婚の場合に、年代に関係なく顕著な争点となるものの、年代が上がるほど請求額が大きくなる傾向が見られます。

さて、ここで問題とする50~60代の離婚で、主要問題となるのは、財産分与、年金分割です。

年金分割は、請求さえすれば、相手が拒んでも最終的には審判によって認められることになり、他の条件をすべて決めて離婚した後、追加的にそれのみ審判を求めるかたちであっても、認められています。

残る問題は、財産分与です。ローンを払い終えた住宅の取り扱い、預金、積立金、保険の解約返戻金、有価証券、退職金について、名義の如何に関わらず、特有財産(この年代では、親から遺産を相続していることも少なくないとみられますが、これが特有財産に振り分けられることに注意が必要です)を除いた残部の帰属を定める必要があります。

特有財産性が認められる部分を控除した残余の価値でみた住宅について、いずれも引き取りを望まなければ、可能な限り高値で売却し、折半することになりますが、当事務所では、大手不動産業者との連携が十分になされており、この点大いにお力になれるものと思います。

預金・積立金・解約返戻金・有価証券については、相手方の管理下にあるものについて知り得ず、看過しがちであるものの、訴訟ともなれば第三者照会が可能であり、こういった手段を積極的に活用して、取りこぼしのないようにすべきです。これについて、自分だけの力で照会まで行うことの困難性を勘案すれば、専門家たる弁護士を利用するメリットがあるのではないでしょうか。

退職金については、婚姻期間÷勤務期間×退職金総額という計算にて請求が認められていますが、一旦退職金が受領者の口座に入金されると、容易に隠匿費消可能であるので、速やかに仮処分を行う必要があります。

50~60代での離婚をお考えの方は、年金受領までの期間と財産分与額を勘案し、離婚後の生活プランを十分に検討の上、仮処分等含め対策を講じて離婚することで、自身の離婚後の生活を守る必要があります。当事務所では、ファイナンシャルプランナーのスタッフも交え、離婚後の生活設計を十分に検討した上で、可能な限りの資産を確保し、離婚後の再出発をご支援しております。

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弁護士 鈴木軌士

弁護士。神奈川県にて25年以上の弁護士経験を持ち、離婚の解決実績を多数持つ。不動産分野にも精通しており、離婚に関する不動産問題にも詳しい。事務所には心理カウンセリングが併設されており、法的なケアと精神面のケアを行うことができる。

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